一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

小沢擁護派のいかがわしさの正体/~なぜ彼らは「信者」と呼ばれるのか~

最近、小沢擁護派によるデモがあったり、ツイッター上での小沢擁護発言を観察していると、ある種のいかがわしさ・薄気味悪さというモノを濃厚に感じてならないんですよね。
そこで今日は、彼らの言動の何がいかがわしいのか、駄文を思いつくまま書き連ねていきたいと思います。

まず、とにかく不気味なのが、彼らが揃いも揃って「民主主義を守れ」とか「法治社会を守れ」とか発言していること
推定無罪の原則」を持ち出したり、検察審査会の審査手順・内容を針小棒大に問題視して小沢を陥れる陰謀へと論を展開させる。
または、それがあたかも一般庶民にも適用され、まるで暗黒社会が到来するかのように騒ぎ煽り立てていること。

その一方で、小沢の説明責任については、まともに回答しようとしない不誠実極まりない姿勢。
そもそも疑惑なんかないのだ、と言ってみたり、政治資金規正法上の単なる記載ミスの形式犯に矮小化してみたり、挙句の果てには、他の政治家もやっているじゃないかと逆切れしてみたりと、およそ説明責任を果たす姿勢のカケラも見せない。

つまり、全てが「説明責任を逃れる方向」にベクトルが向いている訳ですね。
自らの説明責任を果たそうとしない者が、民主主義を守れとか法治社会を守れとか騒ぎ立てる 。
そもそも説明責任を果たすことこそ、民主主義の根本だと思うのですけど。

そう考えると、小沢擁護派の言動は笑止千万。
片腹痛いとはこの事です。

そして、それに反論する者をマスゴミに洗脳された者と一方的に規定し、一切の応答を拒否するようになる。
これでは、カルト宗教さながらの行動と見なされても仕方ない。小沢信者と言われるのも当たり前ですね。

彼らの行動は、「法を守れと言いながら法を破る」行為に他なりません。
古い話になりますが、昔国鉄の労使紛争で「順法闘争」という手段が使われました。
これは、細かな法規則を杓子定規に守ることで抵抗する運動でしたが、私には小沢擁護派の言動がこれと似通って見えて仕方がない。

というか、むしろ昔の軍部が統帥権を盾に日本帝国憲法を形骸化させていった行為とそっくりだと思います。
彼らは推定無罪とか形式犯とか一見耳触りのいい奇麗事を唱えながら、政治資金規正法を骨抜きにすることを狙っている

なぜ、そのように思うのかと言えば、小沢擁護派の主張は全てが政治資金規正法の立法趣旨を明らかに蔑ろにしているから。

政治資金規正法

(目的)
第1条 この法律は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の接受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。

(基本理念)
第2条 この法律は、政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならない。
2 政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の収受に当たつては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない。


政治資金規正法の虚偽記載罪も「政治活動の公明と公正」とか「民主政治の健全な発達」といった保護法益を侵害する重い罪なのであって、単なる形式犯ではない。
事実、虚偽記載の罪は、同法のなかでも一番重く、5年以下の禁固または100万円以下の罰金とされている。

その目的を達成するため、同法では虚偽記載が一番の重罪とされている点をまったく無視して「単なる記載ミスによる形式犯」として冤罪に見せかけようとしているのが小沢擁護派。

そもそもこの小沢の「政治とカネ」については、それが単なる記載誤りなのか、それとも何かを隠蔽するための虚偽記載だったのかということこそ、真に問われるべき事なのです。

実際、タンス預金・土地購入費や定期預金の記載という点を鑑みれば、いずれも小沢の資産を表に出さない方向で処理が行われており、また、陸山会の土地購入原資についての説明では、当初は小沢の資産という話は一切ありませんでした。
これらのことだけでも、小沢氏の資産を隠蔽するための虚偽記載の状況証拠に十分なり得ます

それらには一切触れず、ひたすら「単なる記載ミスによる形式犯」による”でっち上げ”という図式にあてはめよう、あてはめようとする。
ちなみに検察が小沢本人を不起訴にした理由は、報告をおこなった秘書については罪に問うことができるが、政治家本人は監督不行き届き(罰金50万円)で済まされてしまうという同法の規定によるもの。

その規定の壁を乗り越えるためには共謀を立証する必要があり、それの確証が難しいから不起訴にしただけの話に過ぎません。
それなのに、その検察の不起訴を以って、あたかも潔白である根拠であるがごとく吹聴し、その一方で、石川秘書らの起訴については、検察の判断を冤罪だと非難する。
あまりのご都合主義者ぶりに目がクラクラします。

ま、そんなご都合主義者の彼らには、下記HP↓を一読することをお勧めしたい。

◆ブーメランキングの称号は小沢一郎刑事被告人のモノ(爆w(引用元:匿名党)

話を戻しますが、その検察審査会が、上記の状況証拠を鑑みて、小沢が秘書と共謀している筈だと考え、強制起訴を議決したのも市民感覚に基づけば当然でしょう。

そもそも検察審査会の制度は、市民感覚を司法の場に活かす為の制度で始められ、かつての民主党もそれに賛成していた筈。
それが一転、都合が悪くなるやいなや、その制度のアラ探しに終始し、まるで陰謀の道具であるかのように扱う。

そのようなダブル・スタンダードな行動を取る者が、臆面もなく平然と「民主主義・法治社会の危機」を叫ぶ。
まさにこれこそ「似非」民主主義者による”扇動”に他なりません

もう一つ彼らの特徴として見受けられるのが、小沢を反米の旗頭であるかのように扱っていること。

あれだけ執拗に小沢が追及されるのは、米国やその傀儡である従米政治家・官僚らにとって都合の悪い人物であるからだと思い込んでいる。
過去の小沢が取った実際の行動を見れば、どこが反米だったのか?
アメリカ様に脅され、ホイホイ130億円もの資金を差しだした時の決断をしたのは当時の小沢だった筈
反米であったのは、無責任な立場での放言でしかないではありませんか!!

それにコロリと騙され、まるで小沢という人物なら対米自立が出来るような幻想を抱いている様は、まさに「情報弱者」にふさわしい振舞いだと思う。

現在の日米関係をより自立的な立場に変えようとするならば、憲法改正等の抜本的改革が必要
それも行わないで、小沢みたいな政治家一人によって日米関係を変えられる訳がなかろうに。

要するに、彼らは、自分の中で勝手に「米国と堂々と対等に渡り合える」という小沢像を作り上げ、それを現実の小沢に投影しているだけなんですよ。
ところがどっこい、現実の小沢は全然異なるのですから、いずれその期待は裏切られるのは必至です。
そのようにして何度でも裏切られる。
民主党支持者というのはリテラシー能力がないんですな。
何度も詐欺に引っ掛かる多重債務者みたいなもんです。

なにはともあれ、反米派というのはこの程度の甘ったれた認識しかない。
まるで、親離れが出来ない子供が見せる「反抗」のように思えて仕方ないですね。
気分的で稚拙な反抗。
それで自立できると云うのは、あまりに幼稚な妄想でしょう。

ま、このような特徴のある人達が、小沢擁護派の面々というわけです。
これでは、カルト信者と呼ばれても仕方ないと思いませんか??

なんだかんだと、だらだら駄文を書いてしまいました。
過去の記事↓を参考でリンク貼っておきますが、見直してみると内容が似たようなものばかり。
相変わらず我ながら進歩してないな…orz


【関連記事】
◆コメント転載:一読者さんによる「小沢氏vs検察」騒動のまとめ
◆「法」治社会でも、「人」治社会でもない、「納得」治社会にっぽん
◆言葉と秩序と暴力【その6】~日本的ファシズムの特徴とは「はじめに言葉なし」~


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洗脳された日本原住民【その1】~宣撫工作に利用された「日本国憲法」~

以前、何回かに渡って「ある異常体験者の偏見」より「マッカーサーの戦争観」の章をご紹介させていただきましたが、今回から引き続き次章の「洗脳された日本原住民」の章を何回かに渡ってご紹介してまいります。
私はこの章を読んで、軍事占領とは如何なるものなのか、どのように行なわれたのか、という事を判り易く理解することができましたね。

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■洗脳された日本原住民

前にのべたように、新憲法が発布されたとき、私は少しも違和感を感じなかった。

そしてこれは恐らく私だけではない。

その時代における総力をあげ、そのため長い間最低生活に甘んじ、それを当然と考える状態にあって作りあげた陸海軍は、実に無用の長物で、何の役にも立たず、ただ一方的に叩きつぶされたにすぎなかったという事実は、あまりに歴然としていた

おそらく今ではこの言葉は極端な議論にきこえるであろう。

だがそれはその人が「緒戦の大勝利」という当時の新聞のまやかしや、新井宝雄(註)の「強大な武器をもった日本」などという虚構にひっかかっているからに過ぎない
(註)…毎日新聞社編集委員。山本七平の論争相手。

真珠湾政撃」は対等の「戦闘」ではなく、忍んでいって「寝首をかいた」という行動なのである。

軍港内に一列に並んで身動きもせずに昼寝をしていた戦艦の横っ腹に魚雷を命中さすぐらいのことは「アメリカ人なら子供でもできる。ホー、日本人はあれを一人前の兵士が行う戦闘行為と考えていたのか」という彼らの嘲笑には私は返す言葉もなかった。

寝首をかきに行くのにどれだけ苦労したか、などという自慢話は、それで勝ったのならまだしも、その上で惨敗したとあっては、日本以外には通用できる話ではない

ミッドウェー以後の日米の本格的「対戦」となると、贔屓目に見れば五分五分もあるかも知れぬ。

しかしマリアナ海戦となると、まさにバルチック艦隊なみの完敗で、ただ一方的に叩きつぶされたにすぎない。
これに対して「パイロットの訓練不足」などという言いわけは意味をなさない。

こんな「言いわけ」は、事故を起した航空会社ですら、口がさけてもいわないはずで、軍隊にとってこの言葉は「弁解の余地はありません」というに等しいはずである。

そしてこの「一方的に叩きつぶされた」図式は陸軍にもそのままあてはまり、ただその現われ方が海軍より複雑だというにすぎず、それは中国戦線でも南方戦線でも、結局は同じことであったことは前述した。

何度も言ったが、日本という国は、島国という特質、食糧・燃料という資源、カッとなる傾向(これは射撃には全く不適)、軍隊が運用できない言語等々、あげれば全くきりがないが、そのすべては近代戦を行いえない体質にあり、そのことは太平洋戦争という高価な犠牲が百パーセント証明した――これが、当時のわれわれの実感だったはずである。

ところが今それを口にすると、新井宝雄氏によれば、そういう見方は「唯武器諭」的で、それは戦争に通ずる危険な考え方だという。

これはおそらく氏が昔の帝国軍人と同様「可能・不可能」を考える能力がなく、自分たちが置かれた位置に必然的に付随する「確定要素」を算出するという小学生にもできる算術ができず、近代戦における武器(これにはもちろん食糧も燃料も入る)を、日本が持てるという前提に立っていることを示している。

それが不可能だったということは、実に大きな犠牲を払って証明ずみで、その証明を本当に「見た」のなら、別の実感があるはずである。

そしてこの実感は、新憲法に違和感を感じさせず、また、たとえ憲法を改正してもこの客観的事実が変るわけではないのだから、生きて行くつもりなら、ここを起点として、全く別の道を模索せねばならないと思わせたはずである。

当時から約四分の一世紀、その間われわれは本当に何かを模索したのであろうか。

実は何もしなかった

そしていかに何もしなかったかを明確に示しているのが「長沼判決(註1)」である
(註1)…長沼事件:防衛庁(当時)が、国有保安林にミサイル基地を建設するため、当時の農林大臣が国有保安林の指定を解除を許可したことに対し、憲法9条があるのだから、そもそも「公益上の理由」などないとして、当該農林大臣に対して処分の取り消しを求める訴えを提起した事件。参照HP「日本国憲法の基礎知識/長沼事件」

なぜそうなったか。

われわれにとって新憲法が何であれ、マッカーサーにとっては「占領政策」の手段にすぎず、マック制を護持するための方便であり、占領統治・宣撫工作と新憲法とがからみ合ってしまったからであろう。

「憲法」はしばらく措く。

しかしマック制が、「押しつけられた占領政策」であることは否定できない。
そして彼のやったことは、日本軍がやったに「占領政策」と根本的には差はない。

これは「軍事占領」が生み出す一種の必然的な体制であろう。

この体制すなわちマック制が、宣撫工作に新憲法を悪用し「新憲法擁護」が、結局はマック制擁護の錦の御旗になり、その結果「新憲法」と「軍政・宣撫工作」という全く相いれないものの間で、人びとが一種の循環論理に落ちこんだこと、それが「新憲法」の最大の不幸であり、同時にそれは、われわれにとっても最大の不幸であろう。

従って今に至るまで、新憲法が、日本という国のもつ一種の「体質」の結果、必然的に生み出されたという当然の見方が全くないのも、あるいは不思議でないかも知れぬ。

(次回へ続く)

【引用元:ある異常体験者の偏見/洗脳された日本原住民/P220~】


真珠湾攻撃と言えば、強大な敵を討った緒戦の大勝利という見方で私も捉えていたので、「日本以外に通用する戦闘行為ではない」という山本七平の指摘には、ちょっとした自惚れに冷や水を掛けられたような気がしましたね。

あいにく太平洋戦史には詳しくないのでマリアナ海戦の内容など全然わからないのですが、山本七平の戦争三部作などを読んで判断するに、「一方的に叩き潰された」というのは、特に南方戦線の現場を経験した軍人ならば、心底身に沁みた「実感」だったのでしょう。

ところが、その「実感」は、戦後急速に薄れてしまいました。

なぜなのか?
その理由については、山本七平がこの後、詳述しています。

ただ、私なりに他に理由はないだろうか、と愚考してみますと、それはやはり日本の戦争というものが、主に海外で展開された事が影響しているのではないでしょうか。

唯一悲惨な地上戦を戦った沖縄の人々を除いた内地の日本人にとっては、ある意味、空襲も原爆投下も形を変えた「天災」のような感じだったのかも知れません。

そう考えると、日本が近代戦を行ない得ない「体質」であると本当に痛感した人びとは、悲惨な南方戦線で戦った軍人さんだけじゃないかという考えが、ふと頭をよぎるんですよね。
まぁ、これは推測にすぎませんけれども。

それはさておき、新憲法が日本軍事占領体制(マック制)の「宣撫工作」として使われた、との山本七平の指摘がありますが、上記引用を読んだだけでは、なかなかピンと理解するのは難しいかもしれません。

それについては、下記の関連記事↓でも触れられておりますので参考にしてください。
また、後ほどご紹介する記述でも明らかになっていきますのでどうぞお楽しみに。ではまた。

【関連記事】
◆日本的思考の欠点【その4】~「可能・不可能」の探究と「是・非」の議論とが区別できない日本人~


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アメリカが銃を捨てられない理由【その5】~銃で建国したアメリカ~

だいぶ前になってしまいましたが、以前の記事『アメリカが銃を捨てられない理由【その4】~日米の”パーセプション・ギャップ”がいびつな日米関係の一因~』の続き。今回が最終回です。

日本がアメリカを赦す日 (文春文庫)日本がアメリカを赦す日 (文春文庫)
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岸田 秀

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前回の続き)

■アメリカの無自覚

他方、ペリーから現在に至るまでのアメリカの対日態度も、これまで見てきた通り、インディアン・コンプレックスのため狂っています。
インディアン・コンプレックスに引きずられて、アメリカは、現実の日本が見えず、日本に勝手なイメージを押しつけ、日本の反応を妄想的に解釈して客観的根拠のない不信や憎悪や差別を日本に向けてきました

日本に対するアメリカの敵対行為の多くは、現実には必要のない、いわれのないものでした。
すでにどこかで言ったことがありますが、日本と戦争して、何百万かの日本人を殺して、日本を打ちのめして、アメリカの国益にとってどれほどのプラスでしたかね。

アメリカは、日本よりはるかに精神分析が発達しているのですから、ペリーの脅迫、排日移民法ハル・ノート、本土空襲、原爆投下、占領、東京裁判などの一連の対日行動には、アメリカが信じている現実的根拠のほかに、アメリカとしてはあまり認めたくない無意識的動機はなかったかと自己分析してみてはどうでしょうか

そして、悪かったと思えば、謝罪していただきたいと思います。
日本国民は、謝罪されれば、つけあがって補償を寄越せというようなことを言い出す国民ではなく、謝罪してくれたというだけで、アメリカを赦すでしょう。

少なくとも、原爆について謝罪されれば、日本は、将来もしかりに、その能力を獲得したとしても、アメリカに原爆を落としていいとする道義的根拠を失います。

そうなれば、現在はたぶん抑圧されて無意識のなかへ迫いやられていると思いますが、日本に対するアメリカの大きな不安の一つが解消するでしょう。

そうなれば、アメリカは無理して日本占領をつづける必要もなくなるのではないでしょうか。

アメリカがさらに強く無意識へと抑圧しているインディアン・コンプレックスを意識化し、分析し、克服し、そして、日本に謝罪し、日本が内的自己と外的自己との分裂を克服し、アメリカに謝罪したとき、相互理解にもとづいた、真の意味で友好的な日米関係が始まるでしょう。

それまでは、アメリカは日本人にインディアンの亡霊を見て、過敏な反応と的はずれの言動を繰り返し、日本は、隠された内的自己でアメリカを恨みながら、外的自己で愛想笑いをしてアメリカに屈従しつづけるでしょう。

真の友好的な日米関係をどう築くかの問題は、何かを輸出入するとかしないとかの小手先の問題ではなく、この関係の基本的な構造の問題です。

差し出がましいことを言わせてもらえば、インディアン・コンプレックスは、アメリカの対日関係だけでなく、他の国々との関係をも歪めています

正直に言って、アメリカ国民は、世界で一番、憎まれ嫌われているだけでなく(日本も韓国あたりでは憎まれていますが)、世界で一番、テロで殺されている国民です。

テロリストが航空機を乗っ取って見せしめに誰かを殺すとき、一番さきに殺されるのはアメリカ人です。
インディアン・コンプレックスに引きずられたアメリカ人のある特殊な行動が、人々に憎しみを起こさせ、テロを招いていると、僕には見えます。

また、国内の犯罪の多発もこのコンプレックスと無関係ではないと思います。
このことはすでにほかのところで述べたことかあるので、簡単にすませますが、アメリカ国内では毎年一万数千人が銃で殺されているそうです。

それを防ぐには、個人の銃所持を禁止するしかないと思うのですが、それができないのは、銃でインディアンを大量に殺した過去の歴史を正当化しているからではないかというのが僕の考えです。

アメリカという国は、言わば銃でつくった国ですから、その点に関する正当化を分析し、克服することをしないで、銃を禁止すると、アメリカの存在根拠が崩れるのです。

したがって、このままではアメリカは、心理的に銃を禁止することができないのです。

したがって、インディアン・コンプレックスを克服することができれば、アメリカは、対日関係だけでなく、日本以外の国々との関係をもよい方向に改めることができ、アメリカ人が国際的にテロの対象になることも少なくなり、それと同時に、国内犯罪も減るのではないかと思います。

インディアン・コンプレックスを克服する方法は、幼児期のトラウマのために神経症になっている患者を治療する方法と同じです。
インディアンに関するすべての事実の隠蔽と歪曲と正当化をやめ、すべての事実を明るみに出し、それに直面し、それとアメリカの歴史、現在のアメリカの行動との関連を理解することです。

(第十一章 日本がアメリカを赦す日の章/終わり)

【引用元:日本がアメリカを赦す日/第十一章 日本がアメリカを赦す日/P216~】


ようやくタイトルの本題に入りましたね。
アメリカが銃社会である理由は、直接的には、自分の身を武装して守る権利が憲法で保証されているからなのでしょうけど、それが強固なのは建国の過程で、銃が使われて来た背景があるのは間違いないでしょう。

銃によって出来たという建国神話がアメリカ人のアイデンティティにも関係している以上、なかなか銃を手放すことが出来ないのは当たり前でしょうし、それを放棄させるとなれば、どうしても力ずくになるでしょうから、自分を守る権利を行使するのが、アメリカ人としては自動的に正しい在り方になってしまう。

岸田秀は、そこにインディアン・コンプレックスという抑圧された無意識の共同幻想があると考えた訳ですね。
そして、それを自覚することから始めないと、銃を手放すことが出来ないと考えた。

果たしてこの岸田秀の考え方は正しいのでしょうか?
私個人的には、少なくとも銃を手放せない理由としては、インディアン・コンプレックスなるものは影響しているのではないかと思っていますけど。
はてさて。

今回の紹介記事シリーズでは、いろいろとご批判も頂きましたが、岸田秀のこうした見方というのも、この問題を考える一助になるのではないかと思う次第。
ではまた。

【関連記事】
◆アメリカが銃を捨てられない理由【その1】~米国人の深層心理に潜む「インディアン・コンプレックス」~
◆アメリカが銃を捨てられない理由【その2】~アメリカが二度も原爆を投下した「真の」理由とは~
◆アメリカが銃を捨てられない理由【その3】~日本での「成功」とベトナムでの「失敗」~
◆アメリカが銃を捨てられない理由【その4】~日米の”パーセプション・ギャップ”がいびつな日米関係の一因~


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「一知半解知らずに劣れり」な自分ではありますが、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」…と、かの兼好法師も仰っておりますので、ワタクシもブログでコソーリとモノ申します。
一知半解なるがゆえに、自らの言葉で恥を晒すのを控え、主に山本七平の言葉を借用しつつ書き綴ってゆきたいと思ふのでアリマス。宜しくメカドック!!
日々のツイートを集めた別館「一知半解なれども一筆言上」~半可通のひとり言~↓もよろしゅう。

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