一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

オフレコ破りという「禁じ手」を使ってまで民主党を応援するマスコミ

漆間官房副長官の軽率な発言が問題になっているようですね。

どうもこの事件の発端となった懇談会は、”メモや録音等記録を取るのを禁止された形”での「政府関係者と記者との懇談会」というものらしいのですが、政府の誰が発言したかということを報道するのが禁止されているだけで報道そのものが禁止されているわけではないらしい。

これが果たして、一般で言われる「オフレコ」に当たるのか?と疑問に思ったのでwikiを参照してみた。
以下、wikiから抜粋引用してみると、

オフレコとは

談話などを公表しないこと、もしくは非公式ものとすること指す。
英語 off the record(記録にとどめないこと)に由来する。

日本新聞協会編集委員会はオフレコについて「ニュースソース(取材源)側と取材記者側が相互に確認し、納得したうえで、外部に漏らさないことなど、一定の条件のもとに情報の提供を受ける取材方法で、取材源を相手の承諾なしに明らかにしない「取材源の秘匿」、取材上知り得た秘密を保持する「記者の証言拒絶権」と同次元のものであり、その約束には破られてはならない道義的責任がある。」と述べている。

■概要

一概にオフレコと言っても様々な段階があり、完全に公表を拒否する場合もあれば、匿名であれば公表可という条件の場合もある。

中には匿名と言いながら、実際は誰が喋ったのかが分かる場合もある。
欧米では完全に公表を拒否する場合のみをオフレコと呼ぶ。

日本では政府関係者の発表において様々な表現方法がある。
匿名発言としてのオフレコは記者に対するサービスのこともあるが、政治的効果を狙ったオフレコ発言もなされる。

特に機密情報のリークは政治的効果を狙ったものであることが多い。

政府首脳 - 官房長官
政府高官 - 官房副長官
政府周辺 - 首相秘書官
党首脳 - 党首、党幹事長、
党幹部 - 党四役(旧党三役)
○○省首脳 - 次官
○○省幹部 - 局長、審議官
海外の消息筋 - 在外大使館員

オフレコ発言は原則として当人の了解を得なければオフレコ解除(内容、発言者名など取材時の約束上伏せている事項を公表すること)をしてはならないものとされる。

このことはニュースソース(取材源)の秘匿としてしばしばジャーナリズムの義務かつ権利として主張される。

たとえ法律違反を前提とする発言でも取材源の秘密は守られるべきであり、また公権力もこれを尊重すべきだという考え方は報道関係者を中心に根強い。

しかしながら、江藤隆美宝珠山昇のようにオフレコとして発言した内容をマスコミの側が勝手に公表し失言として騒ぎ立てることにより辞任に追い込まれた事例もあり、「オフレコの尊重」をマスコミ自体が侵しているのではないかという論議も存在する。

(~以下略)


どうも、この事件のオフレコ談話というのは、「匿名であれば公表可」に当たるのかな?
欧米でいうところのオフレコとはちょっと違うようだ。

まあ、漆間官房副長官の言い訳を読んでみると、「一般論では…」として発言したようである。
それを、あたかも具体的に「自民党の議員には波及しない」とマスコミが都合よく解釈して報道したというのがこの事件の真相ではなかろうか?

しかし、それを民主党が主張するような「検察から内閣に何らかのメッセージが(事前に)送られていたのではと疑わざるを得ない」とか「政府による『逆指揮権発動』だ。政府高官の立場でこのような発言をすることは『自民党の方はやるなよ』とのサインとも受け取れる」というのは、あまりにもうがった見方としか思えない。

要は、民主党自らが流布している「陰謀論」を真実らしく見せるべく主張しているだけではないか。
これを鬼の首を取ったように報道するマスコミは、露骨に民主党の応援をしているといわれても仕方が無いだろう。

それはさておき、こういう形のオフレコって、線引きが曖昧で発言する側も報道する側もおのおの勝手に線引きをしているような気がする。

なぜ、こうした形のオフレコがあるのかを考えてみると、取材される側から見れば、リークを流しやすく政治的効果を挙げられるからだろうし、取材する側にしてみても本音を引き出しやすいという面があるからではないだろうか。

しかしながら、こうしたケースが今後も起こるようだと、取材する側される側双方の信頼を損ねるだけで、本音を聞きだすことが出来なくなるだろう。
取材される側も、自由に発言できなくなって萎縮してしまうと思う。

副長官の軽率な発言だったとはいえ、それを非公開の原則を破ってまで追及したことが良かったのだろうか?
はなはだ疑問に思えてならないのですが。

ところで、この事件を聞いたときに、「オフレコ」で思い出したのが、山本七平が「日本はなぜ敗れるのか」の中で書いていた記述ですね。

オフレコの約束を破ることが、どういうことか?
そのことがよくわかると思いますので、以下↓ご紹介しましょう。

(~前略)

先日あるアメリカ人の記者と話し合った。
私は、キッシンジャーが、日本の記者はオフレコの約束を破るからと会見を半ば拒否した事件を話し、これは、言論の自由に反することではないか、ときいた。

これに対して彼は次のようなまことに面白い見解をのべた。

人間とは自由自在に考える動物である。
いや際限なく妄想を浮べつづけると言ってもよい。

自分の妻の死を願わなかった男性はいない、などともいわれるし、時には「あの課長プチ殺してやりたい」とか「社長のやつ死んじまえ」とか、考えることもあるであろう。

しかし、絶えずこう考えつづけることは、それ自体に何の社会的責任も生じない

事実、もし人間が頭の中で勝手に描いているさまざまのことがそのまま活字になって自動的に公表されていったら、社会は崩壊してしまうであろう。

また、ある瞬間の発想、たとえば「あの課長プチ殺してやりたい」という発想を、何かの方法で頭脳の中から写しとられたら、それはその人にとって非常に迷惑なことであろう。
というのはそれは一瞬の妄想であって、次の瞬間、彼自身がそれを否定しているからである。

もしこれをとめたらどうなるか、それはもう人間とはいえない存在になってしまう。

「フリー」という言葉は無償も無責任も意味する。

いわば全くの負い目をおわない「自由」なのだから、以上のような「頭の中の勝手な思考と妄想」は自由思考(フリー・シンキング)と言ってよいかもしれぬ。

いまもし、数人が集まって、自分のこの自由思考(フリー・シンキング)をそれぞれ全く「無責任」に出しあって、それをそのままの状態で会話にしてみようではないか、という場合、簡単にいえば、各自の頭脳を一つにして、そこで総合的自由思考をやってみようとしたらどういう形になるか、言うまでもなくそれが自由な談話(フリー・トーキング)であり、これが、それを行なう際の基本的な考え方なのである。

従って、その過程のある一部、たとえば「課長をプチ殺してやりたい」という言葉が出てきたその瞬間に、それを記録し、それを証拠に、「あの男は課長をプチ殺そうとしている」と公表されたら、自由な談話というもの自体が成り立たなくなってしまう

とすると、人間の発想は、限られた個人の自由思考(フリー・シンキング)に限定されてしまう。

それでは、どんなに自由に思考を進められる人がいても、その人は思考的に孤立してしまい社会自体に何ら益することがなくなってしまうであろう。

だからフリー・トーキングをレコードして公表するような行為は絶対にやってはならず、そういうことをやる人間こそ、思考の自由に基づく言論の自由とは何かを、全く理解できない愚者なのだ、と。

(後略~)

【引用元:日本はなぜ敗れるのか/第十二章「自由とは何を意味するのか」/P309~】


この記述の中でのオフレコというのは、今回とは若干違うかも知れませんが…。

ただ、果たして、今回この件を報道した記者というのはこうしたことがわかっていたのでしょうか?
とてもそうは思えないのだが…。
民主党を応援する為なら何だってやるつもりなんだろうな、多分。
そういう手段を講じてまで、民主党を勝たせたいのか?私には理解不能だ。


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コメント

とくに何も考えてないと思うね(´ー`)y-~~

戦前の戦意高揚報道にしたって、ちょっと冷静に見ればヨタ記事のどうってことないものなんだけど、新聞社は景気のいいことを書いてると売れるし、自分たちをほめてくれるから喜んで書いてたわけです。

いまの新聞社や記者たちにしたって、学歴がどうかは知らんけど私たちと頭の出来はそう変わらんわけでね。

宗教サヨクの特殊スキル「誤読」を彼らも使って、わざと発言とかを切り貼りして面白おかしいように流すのが楽しいんだろうね。
たとえば、民主党に政権とらせたら今の日本にある利害関係がこう改善される・・みたいな深慮遠謀はないですよ。職業上の職権を自分の能力か才能だと勘違いして増長慢するのは、政治家、経営者、記者に限らずよくある話ですんでね。

まあ、手口としては女の子が気に入らない子の悪い噂話流すときと同レベルで好きにはなれませんね。
こーゆー記事を書いてる連中は、同じように家族や友達にからかわれてみるといいと思うねw

あと、田原総一郎とかの「とにかく民主党!!自民党だけはダメ!!」ってコメントは逆効果だね。ひねくれ者は「わかったよ!!必ず自民党にいれるよ!!」とか、「新風とかにしよう!!」となるんでねw

サヨクの混じった政党ばっかなんで、みなさんも新風に入れると面白いかもですよ~w サヨクは嫌がりますんでね。

  • 2009/03/11(水) 01:20:27 |
  • URL |
  • 潜水艦 #R1y00GSs
  • [編集]

マスコミとしては

「引っ掻き回した方が面白い」と言うだけの事だと思われますよ。

禁じて云々以前に、日本の記者クラブのように、質問・報道を自主規制している方が異常な事ですし、何十年も経って「私は知っていたけど、あえて報道しなかった」などと堂々と言える記者や、元記者がいる事の方が問題ですよ。

  • 2009/03/11(水) 00:15:43 |
  • URL |
  • 仮)山田二郎 #JalddpaA
  • [編集]

同じく

引用されているキッシンジャーの話は、面白いですね。確かに我々はフリーシンキングで、常に公式見解を想定して生きている訳ではありませんよね。それらにまで責任を負えないのが現実じゃないでしょうか。

今回の漆間さんの例、どうもオフレコ事情など詳細が明らかになってくるにつれ、こんなに大問題になるようなものだったのかという気がしています。割と、一般社会でも起こりうる齟齬の領域で、何故、オフレコ懇親会の発言で大騒動をしているのかって思えてしまうんですよね。

なので、行き着くところは、民主党に加勢したい何かがマスコミにあるのだろうと疑わざるを得ないんですよね。そこまでして民主党に勝たせたいのか? とは、正に、同じ感想で、この一連ニュースを視ていました。

  • 2009/03/10(火) 23:03:33 |
  • URL |
  • メロンぱんち #NkOZRVVI
  • [編集]

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オフレコの扱い~本当に報道は中立か?

今回、多少、私的な観点も含めてますが、ちょっとした違和感がありまして。 当初から「陰謀だ!」という論拠なき責任転嫁こそ問題であるという観点で取り上げてきていましたが、思いの外、マスコミは「陰謀だ!」という謀略論に寛大でしたよね。そればかりか、「小沢代...

  • 2009/03/10(火) 22:52:04 |
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「一知半解知らずに劣れり」な自分ではありますが、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」…と、かの兼好法師も仰っておりますので、ワタクシもブログでコソーリとモノ申します。
一知半解なるがゆえに、自らの言葉で恥を晒すのを控え、主に山本七平の言葉を借用しつつ書き綴ってゆきたいと思ふのでアリマス。宜しくメカドック!!
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