一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

鳩山政権崩壊をアメリカの仕業に帰する陰謀論者たち/精神の自立なくして、自主独立などありえないはずなのだが…

あ~ぁ、鳩山首相小沢幹事長が、ダブル辞任しちゃいましたねぇ…。
そして後任は菅直人かぁ…。
つくづくロクな人物がおらんな、民主党は。

前記事でコメントしてくれた1読者さんが指摘したように、民主党の崩壊スピードが速すぎます。
民主党政権の駄目さ加減が、まだ国民に強烈に印象付けられていないまま、表紙が替えられちゃ、またコロッとだまされちゃう人たちが多いんだろうなぁ…。

しかし、選挙直前に党首を替えるってのは、随分と国民も舐められたものです。
これで民主党が惨敗しなくなれば、またぞろ強権政治が続くことになるのか…orz

それはさておき、どうやら鳩山首相は辞任記者会見を開かないようですねぇ(歴代の自民党総理は退任の際、そうした記者会見を開いていましたけど)。

お仲間内の両院協議会で、一方的に自分の思いを語って辞めていくってのは、本当に勝手で、無責任で、対話の姿勢に欠けるもので許しがたい。
民主党ってのは、国民との対話を謳いながら、実際は問答無用な対応ばかりだったけど、最後の最後まで無様な対応を貫いたね。

その演説内容も、ひどかった。
ここでは論評をしませんが、数あるブログの中で、なるほどと思った短評を紹介しておきましょう。

◆麻生首相の退任演説
「私は日本と日本人の底力に一点の疑問も抱いたことはありません。
これまで幾多の困難を乗り越え発展してきた日本人の底力というもの信じております。
日本の未来は明るい。
未来への希望を申し上げて国民の皆さんへのメッセージとさせていただきと存じます。」


◆代用の退任演説
「国民が聞く耳を持ってくれなかった。結果として私の秘書が政治資金違反をしていて、巻き込まれてしまった」


★最後の最後まで他人のせい。
まぁ、日本人の集団無意識を象徴する男ではあったな。
日本人が一番見たくない自分自身の真実の姿を無理やり見せられていた
だから拒絶反応が出たのだろう。


【引用元:陳さんのWorld view/本日のリーベンオチ/2010年6月3日より】

いや、陳さんの短評は実に鋭い指摘ですよね。
特に、鳩山首相の自覚なき「悪意」といいますか、無反省の善意がもたらす底なしの”悪行”というものを否応無しに見せ付けられましたが、ある意味、これは日本人の「自分は善で、社会が悪だ」という抜きがたい”通念”と相通ずるものがあります。

それはさておき、本日の本題。

今回の辞任劇を見て、あちこちのブログで、アメリカの「陰謀だ」とか「仕業だ」と唱えられているようです。
私が見かけたので、一例を挙げれば次のようなブログ記事。

◆アメリカは何人の日本国首相の首を撥ね続けるのか?国内に外国の軍事基地があると言う事は、その国の属国であり続ける事だ。/ブログ「株式日記と経済展望」より
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/210b10083094367fdbec84f1daae2ab8

ちょっと切り口は違うものの、このブログ記事↓も中身は同じような捉え方。

◆鳩山辞任で試されるのはアメリカ /ブログ「超左翼おじさんの挑戦」より
http://chousayoku.blog100.fc2.com/blog-entry-460.html

こうした記事に共通するのは、「アメリカ=諸悪の根源」という図式。
アメリカ=加害者/日本=被害者」という意識が顕著に滲み出ている。

今回の鳩山首相辞任劇は、本人の無能さによる”自爆”に過ぎないのに、上記のブログ記事では、なぜか「アメリカのせい」という論調に”転化”してしまっている。

確かに、一見そのように見えなくも無いが、こうしたブログでは、全てアメリカに責任を転嫁して、アメリカを批難し、日本自らを被害者の位置に置く。

これでは、単なる「問題のすり替え」であり、「現実逃避」であり、「自己欺瞞」に過ぎません。
そして、そうした人間ほど、陰謀論にハマっていく。

どんなに言い繕うとも、陰謀論にハマる人間というのは、現実を直視できない人間の「言い訳」です。
なにしろ醜い現実を直視するより、他者を悪者にして、そいつが悪いと罵っているほうが楽ですからね。

でも、そういう人間ほど、簡単に騙されてしまう者もいない。

なぜなら、現実を把握できないですし、次々に「諸悪の根源」という存在を、自らの心の内につくってしまうから。
あるときは「ユダヤ資本」、あるときは「アメリカ」、あるときは「中共」、なんて具合に。

陰謀論を唱えれば唱えるほど、自ら陰謀論に巻き込まれ、まるで本当に陰謀があったかのように受け止めてしまう。
まさに負のスパイラルですね。

以前にも『内なる「悪」に無自覚な日本人/性善説がもたらす影響とは?』という記事のなかでご紹介したことがありますが、山本七平岸田秀との対談の中でもこの症状について指摘した部分をご紹介します。

日本人と「日本病」について (文春文庫)日本人と「日本病」について (文春文庫)
(1996/05)
岸田 秀山本 七平

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(~前略)

山本 なるほど。それではこの諸症状とやらをしばらく挙げつらってみましょうかね。

今、お話にでた社会の中に不自然をみて、それを悪であるとする発想は、人間は善であるという性善説と表裏の関係にありますね

人間は善い、自分は善い、しかし社会が悪いのだと。


岸田 つまり、その場合、社会の悪はどこから来るのかということまでは分析しない。今、お話にでた社会悪の構造的原因まで追究しないことが多いですね。

山本 そしてナマズを持ち出す。
小室直樹さんが地震ナマズ説という比喩を使っているんですが、地震が起きるのはナマズが暴れるからだ、ナマズが諸悪の根源である、ナマズを殺せばすべてが解決するという発想ですね。

日本人は特にこの発想に陥りやすい

だから「諸悪の根源」は絶えず必要なんだそうです。


(後略~)

【引用元:日本人と「日本病」について/純粋信仰/現代日本教信仰箇条/P131~】


このように陰謀論にハマる人たちは、必然的に「諸悪の根源」を追い求め、トンチンカンな地震ナマズ説を唱えるようになってしまうわけです。

しかし、陰謀論に縋る人間というのは、いったいどのような人間なのでしょうか。

まず、反省力が皆無ですね。
何しろ全部「他人のせい」ですから。

それと「ひとりよがり」がひどい。

例えば、ある対象に一方的に惚れ込んで(心情移入して)、その対象が自分の期待にそぐわないとみるや、一転して裏切られたと勝手に思い込み「憎悪」する。
(終戦直後のアメリカ・ソ連・”地上の楽園”北朝鮮・文化大革命時の中国・興隆時のナチスドイツなど、時代につれて、この対象が移り変わってきました。)

「青い鳥症候群」でもあるといえるでしょう。

私は、反米を唱える日本人ほど、このような傾向が強いと見ています。

相手に勝手に期待し、裏切られたと勝手に思い込む。
それは相手に甘えているからです。
あたかも、(実際は赤の他人なのに)親しい相手であるかのように受け止めるのは、根拠なき「甘え」でしかない。

要するに”甘ちゃん”なのです。
精神的に”親離れできていない子供”同然なのです。

だから、アメリカのことを罵りながら、実際にはアメリカが本当に裏切った時のことまで彼らは考えない。
いくら悪態をついても、”保護者の”アメリカが鷹揚に接してくれると思い込んでいる。

反米を唱えておきながら、いざアメリカが反日行動を取ったら、一転あわてふためくのは彼らでしょう。

「甘え」という感情ゆえに、アメリカの怖さというものを把握していないから、簡単に威勢の良い反米論調を唱えられる。
敵としてのアメリカに、60年以上前に徹底的にやられながら、まだアメリカの怖さが身に沁みていないらしい。
余談ですが、これ一つ取ってみても、マッカーサーの洗脳占領政策が如何に見事だったかわかりますね。

結局のところ、彼らの反米とは、「甘え」に基づく”情緒的”反米に他なりません。

以上のことから、陰謀論にハマる人間ほど、「精神的に幼い」と言うことができると思います。

不思議でならないのはなぜか、そうした人間ほど、「自主独立」を唱えたがることです。

まさに、お笑い種ですね。
精神的に自立できない人間が唱える、「自主独立」って一体なんなのでしょうか?
私には想像もつきません。

ましてや、そうした”精神的幼児”の人間から、「親米のポチ」呼ばわりされることほど、頭に来ることはありません。

そもそも、日本はスイスやスウェーデンのように自主独立・中立路線を歩めるような立場・条件に恵まれてませんし、その覚悟も無いのに…。

中立を保つということは、全てを敵に回す覚悟を持たねばなりません。
「みんな仲良くお手つないで…」式の思考様式しか持ってないくせに、中立を夢見る。
まさに甘ったれた考えです。

妄想もいい加減にして欲しいです。
こんな幼児的精神状態では、いつまでたってもアメリカから自立できないのも当然ですね。
(というか、自立しうる条件・立場に無い日本というものを把握できていない時点で駄目なんだが…)。

【追記】
一応、念のため断っておきますが、陰謀そのものの存在をまったく否定しているわけではありませんヨ。


【関連記事】
◆内なる「悪」に無自覚な日本人/性善説がもたらす影響とは?
◆平和主義の欺瞞【その3】~現実を直視しなければ不可逆的に失敗する~


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コメント

南溟さんへ

南溟さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

コスタリカと日本を同じに扱うところからして、頭大丈夫?と云わざるを得ませんが、向こうから見ると、逆に私の意見などは妄想だそうです。
まぁ、後は第三者の判断に委ねたいと思いますが。

しかし、対話・話し合いを謳いながら、異論を排除するという彼らの行動自体が、自らの主張の限界というものを露わにしてますよねぇ。

  • 2010/06/07(月) 21:30:23 |
  • URL |
  • 一知半解 #f2BEFQoE
  • [編集]

>ガチガチの9条護憲派の人

先ほども一知半解さんが某ブログのコメント欄に書き込んでいるのを拝見しましたが、そのコメントのやりとりを見ていて頭がくらくらしました。彼らの「青い鳥症候群」の対象は、今度はコスタリカなんですね。
まあ私もこのブログに対してはつっこみを入れたい箇所など山ほどありますが、議論になるはずがないですからね。しかしそれでも読んでいてあまりにもイタイから、コメントを送らずにはいられなくなるという一知半解さんの気持もよくわかりますが。

何度も言いますが、彼らは今の日本の政府を人々を苦しめる悪魔のように認識していますが、これも一種の陰謀史観でしょうかね。しかし彼らは「国民のためを考えるいい政治」という幻想に依存し甘えているようにしか見えませんね。
「国民が不幸なのは今の政治が悪いからだ」と考えるのは勝手ですが、それだったらパソコンにかじりついて毎日毎日政治の悪口ばかり書き散らすよりも先に、やるべきことなどいくらでもあるはずでは? ネットの世界に逃避してそこで「弱きを助け強きをくじく」正義の味方ごっこに酔いしれていたって、世の中は何も変らないし困っている人は一人も救われないですよね。

  • 2010/06/06(日) 22:52:47 |
  • URL |
  • 南溟 #-
  • [編集]

KYさんへ

KYさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

確かにご指摘のブログは、お粗末過ぎるようですね。
基本的に陰謀論者って、自分のことを無条件で善人だと考えているような気がします。
だから、平気で対象を悪魔化できる。

私もガチガチの9条護憲派の人と議論したことがありますが、そういう人たちって、平気で悪徳ペンタゴンの手先・エージェント扱いするんですよねぇ。
まったく、救いようが無い”善人”です。

  • 2010/06/05(土) 23:26:52 |
  • URL |
  • 一知半解 #f2BEFQoE
  • [編集]

無防備マン以下のチキンハート

 私も人のことは言えないくらいの小心者(自嘲)ですが、陰謀論者もかなりのチキン振りです。「週刊オブイェクト」で韓国の哨戒艦沈没事件の犯人が北朝鮮だと言うことが明らかなのに、未だに「アメリカ犯行説」を誇大妄想的な屁理屈で唱える陰謀論を、ブログ主のJSF氏が軍事知識を下に反論したところ、リンク先のサイトにも反論や突込みが多く寄せられましたが、何とコメントが30程達したところでそれらは全て削除され、コメント欄も承認制に移行していました。まだ「炎上」してもいないのにこの素早さ、どれだけチキンなのでしょう。他のサイトもコメント欄自体がなかったり、陰謀論者ってどれだけ打たれ弱いのでしょうか?陰謀論にはまりやすい、と言えば以前紹介した「自称」憂国の士(爆笑)のブログもそうでしたが、何でもアメリカ(とそれに追従する日本)の仕業にしたがるその性癖は「アメリカ無敵・全知全能伝説」の狂信者ではないかと疑ってしまいます。25年前の日航機墜落事故までもが「自衛隊機に撃墜された」とマジで信じ込む彼らですから、どれだけ論理的に説明しても無駄かもしれません。

 >反米を唱える日本人ほど
 その定番が反戦サヨクですね。基地問題ではアメリカに反抗する態度を見せながら、歴史観では自国を絶対悪と看做すいわゆる「東京裁判史観」は崇拝し、旧戦勝国の尻馬に乗って自国を弾劾する側に回る。ただしこれは「甘ったれ」と言うよりは「自国を裏切った者は他国から信用されない」という世界の不文律を全く弁えない能天気な思考回路に基づく行為でしょう。もっともこれも「甘え」のバリエーションかもしれませんが。

  • 2010/06/05(土) 13:07:45 |
  • URL |
  • KY #mQop/nM.
  • [編集]

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一知半解なるがゆえに、自らの言葉で恥を晒すのを控え、主に山本七平の言葉を借用しつつ書き綴ってゆきたいと思ふのでアリマス。宜しくメカドック!!
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