一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

改めて菅談話について考える

今回のエントリーは、ブログ「超左翼おじさんの挑戦」に投稿したコメントと、コメント投稿後、考えた意見の紹介です。
論旨が一部ダブっていますが、思いつくまま筆を進めた為ですので、ご容赦ください。
お題は、菅談話について。



投稿先記事はこちら↓
◆韓国植民地支配での菅総理談話・3

(コメント引用開始)

松竹さんのご指摘のとおりだと思います。
しかし、たぶんその事を踏まえての結論は、私と松竹さんとではまったく違うのかも知れませんが…。

そもそも韓国人が、他の植民地国と違って、なぜあれだけしつこく謝罪を求めるのかといえば、単に「支配されたから」なのではなく、「彼らのプライドが傷つけられた」からなのです。

自力ではなく、格下・野蛮であると思っていた国によってしか、近代化を成し遂げることが出来なかった…という彼らにとって認めがたく否定しがたい”事実”が彼らの面前にある以上、幾ら日本統治時代が善政であったことを指摘しても、却ってむきになって否定するだけなのは、ある意味当たり前でしょう。

彼らが躍起になって、ウソをついてまで日本統治を否定し続けるのは、彼らのプライドが如何に傷つけられたか、彼らの症状が如何に重いかを表していると思います。

しかし、ここで本当に問題であるのは、彼らの謝罪要求が、そうした彼らの”精神疾患”から由来しているという事にまったく気付かず、彼らの「症状」に迎合すれば、日韓関係が良くなると思い込んでいる日本人が多数いることです。

かつての日本は、悪しきパターナリズム(註)で韓国に接してしまいました。
その結果、いわば”押し売り”の日本の善意は伝わらず、却って恨まれるだけの結果におわりました。

(註)…パターナリズム(英: paternalism)とは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるようにと、本人の意志に反して行動に介入・干渉することをいう。日本語では「父権主義」「温情主義」などと訳される。

日韓関係を前進させるには、そうした彼らの症状に”迎合”するのではなく、韓国を一人前の他人として扱い、突き放して接してやることです。

それに、韓国のそうした症状に迎合し”甘やかす”ことは、結局、彼らを対等な相手と見ていないことでもあります。

そうした対応で、日韓友好など実現できるわけがありません。

そもそも、日本人の「謝罪」というのは、とりあえず怒っている相手に謝罪の意を示すことで、まったくの”他人”から、「俺とお前」という”二人称の関係”に入るための「ツール」でしかありません。

したがって、その「謝罪」というのは、言葉だけであって、実際の責務を伴いません。
このことをイザヤ・ベンダサンは、「私の責任=責任解除」という形式で説明しています。
すなわち「私の責任です」と懺悔することで、「責務を負う」のではなく「責務が免除される」わけです。

今回の菅談話もこの類いの「謝罪」です。

そして、残念なことに、この類いの「謝罪」は、日本人だけにしか通用しません。
これを以って、韓国人相手に「俺とお前」という関係を築くことは出来ないのです。

ですから、今回の謝罪も、日韓双方の誤解をますますひどくさせるだけの結果に終わることでしょう。

「どんなに悪い事例とされていることでも、それがはじめられたそもそもの動機は、 善意によったものであった。」というカエサルの格言がぴたり当てはまりそうですね。

それはさておき、この「私の責任=責任解除」論については、拙ブログの過去記事にて紹介しておりますので、以下リンク↓を貼って起きます。

◆「私の責任=責任解除」論③どうして日本は中国問題で失敗を繰り返すのか
http://yamamoto8hei.blog37.fc2.com/blog-entry-54.html

(引用終了)


(以降↓は投稿後に考えた記述)

今回の菅談話は、はやくも日韓相互の誤解を増長させるだけに終わりそうです。

賠償の伴わない口先だけの謝罪は、相手を失望させるだけで意味がないどころか、マイナスでしかありません。
韓国側の不満を呼び起こし、日本人の間でも、キリのない謝罪にますます嫌韓感情を募らせることでしょう。

韓国が今回の菅談話を踏まえて、次々と具体的な賠償を要求してくるのは、火を見るより明らかです。

こうした懸念に対し、何ら相談もなく一方的に謝罪を強行するのは、民主党政権の「非民主的」体質をよく表しているのではないでしょうか。
国民的合意を得た上での謝罪ならともかく、こうしたやり方では、国内向けにも世論の分断を招くだけで、非常に稚拙なやり方といえるでしょう。

菅談話の問題点はまだあります。

それは実質的に、日韓基本条約を無効化しかねない恐れが非常に強い事です。
実際、韓国政府は「朝鮮王室(王朝)儀軌(ぎき)」などの文化財について「お渡し」という表現を勝手に、「返還」と自らに都合良く翻訳してしまいました。

「返還」と訳せば、「不法に奪った」という意味合いになるためです。
日本統治を全否定したい彼らにとっては、その方が都合が良いし、実質的に日韓基本条約を形骸化させ、更に賠償をせしめる事が出来るかもしれないから。

このように韓国側の行為は、実に姑息極まりないものですが、このように相手がつけ込む隙を与えてしまった事は、きちっと咎められるべきでしょう。

それでは何故こうした悪影響があるにも関わらず、菅内閣は謝罪を強行したのでしょうか?
心理的にいえば、幾つか原因が考えられます。

一つは前述したように「私の責任=責任解除」という思考行動様式に捉われている事。
もう一つは、良心的日本人に良く見られる自分の”無罪証明”という衝動に捉われている事。
もう一つは、贖罪意識が入り混じったパターナリズムに捉われている事。

現世利益的には、在日団体からの見返りを期待しての行動や、補償が実施される際の利権目当てと言った処でしょうか。

何れにしろ、今回の菅談話は、まさしく民主党政権の外交的失点であり、愚劣極まりない行為であると言って良いでしょう。

それでは、本来、日韓関係はどうあるべきなのでしょうか。

日本側で注意すべきことは、「善政を施してやったのに…」と言ったパターナリズム丸出しの主張は控え、事実の指摘だけに務めることではないでしょうか。

そして、相手の甘えにも似た謝罪要求には断固拒絶し、同文同種といった思い込みを捨て、他人としての大人の付き合いに移行すべきなのです。

日韓関係の問題は、韓国側にのみ原因がある訳ではありません。
依然として悪しきパターナリズムを持って接している日本側にも十分原因が有るのです。

それを理解する事が、今後の日韓関係に必要なのですが、現状を見る限りでは、その前途は暗いかも知れません。


【関連記事】
◆過去記事サルベージ:菅談話の背景にある「私の責任=責任解除」論
◆「私の責任=責任解除」論③どうして日本は中国問題で失敗を繰り返すのか
◆「伝統的規範」と「社会の変化」を調和させることの難しさ/~「日本スバラシイ論」を疑え!~


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