一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

責任追及者(=マスゴミ)の責任とは?/既存マスゴミと変わらない上杉隆に代表されるネット・ジャーナリストらの「無責任さ」

今現在、原発事故関連の風評被害が蔓延しつつありますが、そんな時期だからこそ振り返ってみたい山本七平のコラムについて以下ご紹介したいと思います。

「常識」の研究 (文春文庫)「常識」の研究 (文春文庫)
(1987/12)
山本 七平

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■責任追及者の責任

「政府の責任」と「党」との関係について、少し考えてみたい。
この言葉は、しばしば労組や野党やマスコミによって濫用された。

たとえば「それによって生ずる混乱の責任はあげて政府にある」といってストをする場合や、ある種の言葉尻を捉えて政府を追及する場合等々、新聞や声明にはしばしば「政府の責任」が登場した。

それらの中には、「なるほどこれは政府の責任だな」と思われるものもあるが、普通の常識から考えれば「これを政府の責任というのは少々無理だ」と思わざるを得ないものもある。

むしろ「そう言っている者の責任だろう」と思われる場合もあるし、「言葉尻を捉えているだけで、追及している方がむしろおかしい」場合もあるし、「人類のだれもが予測できなかった事態に対処していなかったから、といって責任を追及されたら、だれもこれには対応できないだろうな」と思われる場合もある。

だがこの場合、政府は決して反論しないし、「それは政府の責任ではない」と反論する言論機関もない。
大体、反論して事を荒立ててもつまらないし、政府を弁護して保守反動の手先などと言われてもつまらない。

いわば聞き流していれば、実体がない以上、その声は当然に消えてしまうという前提で、すべての人がこの「政府の責任」という言葉に対応しているわけである。

言葉の誤用・濫用は、しばしばその言葉を殺す

そうなると、本当にその言葉を使わねばならぬ事態が来ても、殺された言葉では何の効果もない
事実「政府の責任」という言葉が出てきても、政府も、その言葉を耳にした者も、何も感じないという事態にすでになっているであろう。

さらに大きな問題がある。

「政府の責任」の追及は新聞の役目であると新聞は自任し、一般人もそう思っている。
ということは新聞が追及しない限り、どんな誤った決定を下しても政府は免責されてしまうということである。

たとえば新聞の誤報がパニック状態を起こし、政府がこれに押し流されて「誤報に基づく緊急対策」を実施し、その結果国民が被害を受けているような場合、新聞はこれを追及しない

もちろん誤報に基づこうと、パニックが起ころうと、これを基にして「最終的決定」を下し、その「実施を命じた」政府にその責任があり、この「政府の責任」は決して新聞の「誤報の責任」にすりかえてはならず、両者はそれぞれ責任を負うべきことは言うまでもない。

しかしこの場合、新聞が「政府の責任」を追及すれば、それは否応なく自らの「誤報の責任」をも追及する結果になるから、この場合は両者ともに頬かぶりになり、共にこの責任問題に触れまいとする態度を生ずる

こうなると、真に追及さるべき「政府の責任」はうやむやに放置され、これを追及しても人は「またか!」と思い、新聞も取り上げないから否応なき「無責任体制」となる

清浦雷作東工大名誉教授から、『環境問題の虚と実(1)化学工業の受難――虚報による実害』を送っていただいた。

発端は、多くの人は忘れているであろうが、余り広言できぬ病気をもつ一老人が朝日新聞の記者に会うところからはじまる。
それが、まだ診断が確定しない前に「大牟田にも水俣病」の大見出しとなって新聞に載る。

これは有機水銀だけでなく無機水銀からも水俣病が出るということであり「第四の水俣病」ということで、翌日の各新聞は競ってこれにとびつく。
その結果、どこの魚もみな危いとなり、苛性ソーダ工場が漁民に封鎖される。

政府はあわてて「アジならアジは一週間何匹……」といった「週間魚介類摂取量」なるものを公表する。
それが、逆にパニックをあおる
それに便乗して、「怒りをぶちまける」式の売名屋が出る

だが結局、虚報のパニックは消え、嘘のように平静にもどる。
だがその結果、狼狽した政府の水銀汚染対策推進会議の決定は残った

すなわち水銀法から隔膜法への転換である。
それがどういう結果になったかは、清浦名誉教授の論文に詳しく出ているから一読されたい。

結論を引用させていただくと、日本の化学工業は「潰滅へと転落して行く」ことになりかねない。
建設には長年の努力と汗が必要だが、破壊と大量失業は一片の虚報で事足りるという一例である。

だが、今はそれを問わない。

問題は、この間における「政府の責任」である。
新聞も野党も、おそらくこの責任は追及すまい

では、追及されなければ放置してよいのか。
もしそれを放置すれば、新聞との癒着による無責任体制になる

この場合、この問題に決着をつけて責任の所在を明らかにすることは、議会を通じての党の役目であると私は思う。

【引用元:「常識」の研究/責任追及者の責任/P82~】


「政府の責任」という言葉が死んでいくプロセスが、わかり易く説明されてますね。
マスコミのチェック機能がなぜ働かない場合があるのか、この説明が上手く当てはまるのではないでしょうか。

今回の放射能騒ぎでもこのコラム同様の事態が起こる事でしょう。

「政府の責任だ、東京電力の責任だ」と騒ぎ、放射能の危険性がこれでもかと喧伝され、被爆しても因果関係が認められない程度の放射能レベルで大騒ぎしたり、本来水で洗ったり、ニ・三枚葉をむしれば安全性を確保出来る筈の葉物野菜ですら、全て危険視され出荷停止になる。

マスゴミは不安を煽り、それに引きずられ政府も追随せざるを得なくなる。
その結果、生産者は一方的に風評被害を蒙ってしまう。

そしてある程度時間が経過し、ヒステリー状態が治まれば、過剰反応だったということになり、被害との因果関係が曖昧にされ、誰がその責任を取るのかはっきりしないままに終わる可能性が高い。

ひどい場合は、上記コラムの例にあるように間違った決定が是正されないまま、放置されてしまうことになりかねない。
いや、もっとひどい場合、マスゴミは自らが煽ったこと自体、知らんぷりして政府に一切の責任を押し付けてしまうことでしょう。

そして、終いには政府が補償する羽目になる。
それは結局、税金ですから全ては国民にツケが廻される。
最初に煽ったマスゴミは何の責任も取らないまま。
まさに、無責任な言動がもたらす災厄ですなぁ…。
まるでマッチポンプの様だ。

それはさておき、上記コラムの「水銀法から隔膜法への転換」のその後については、ちょっと気になったのでネットで調べてみました。

■ソーダ工業の歴史

(~前略)

昭和24年(1949年)頃まで隔膜法と水銀法が拮抗していた電解ソーダ工業は、その後水銀法が主流となり、その技術水準は世界でもトップクラスを誇っていましたが、昭和48年(1973年)に起こった水銀問題により政府は非水銀法への転換を決定することになりました。

その結果、日本のソーダ業界は昭和61年(1986年)までに隔膜法やイオン交換膜法にすべて転換されました。
その過程で、隔膜法か性ソーダは品質が悪く、コストも高いという欠点があったため、当時新しい技術として注目されていたイオン交換膜法の技術開発に業界をあげて取り組むことになりました。

製法転換で3,000億円を超える資金を投入したソーダ業界にとって、体力を消耗した中での新技術の開発は最も苦しい時代であったと言えます。

幸いイオン交換膜法の技術は、政府をはじめ多くの関係者の支援と努力もあり、日本を代表する技術に育ち、昭和54年(1979年)から商業生産に採用され、平成11年(1999年)には日本の製法はすべてイオン交換膜法になりました。
高品質、省エネルギー性など多くの特長を誇るこの技術は、現在世界各国に技術輸出されています。

(後略~)

日本ソーダ工業会HPより抜粋引用)


幸いなことに、これについては禍転じて福となす結果となり、清浦教授の懸念は杞憂におわりました。
しかしながら、全てがこのように上手く行くとは限りません。

仮に、今回の騒動の結果、何が何でも「原発は廃止するのだ」という決定がなされたとしたら…。

ソーダ工業などという一業種の興廃の問題と違い、エネルギー問題は日常生活や経済成長に直結する問題です。
一時の世論に押されて、取り返しのつかない間違った判断をすることだけは避けねばならないと思います。

反原発の風潮が高まっている今こそ、このコラムを鑑みるべき時だと思い、ご紹介した次第。

余談になりますが、こうした無責任体制を正すのが党の役目だと山本七平は指摘していますが、IT時代の現代ならネットがその役割を担う事もできるのではないでしょうか。

確かにネットには闇の部分も多いです。
自らの主張を通す為に、無責任に情報を垂れ流す輩がわんさか居る。

最近の私のツイートを見ている方はお分かりでしょうが、上杉隆氏のようなフリーランス・ジャーナリストの言動について批判しているのは、彼らのようなネットツールを駆使したジャーナリストですら、無責任な態度で情報を垂れ流すなど、その言動は何ら既存のマスゴミと変わらないからなのです。

彼らは単に既存のメディアを敵視し、それに取って変わりたいだけの売名屋に過ぎないと私は見ています。
それは無責任な情報を振りまいてきた彼らの過去の言動をみれば明らか。

ネットは既存の政界とマスコミのもたれ合いによる無責任体制を突き崩す「ツール」になり得ます。
しかしながら、上杉隆氏のようにその「ツール」を汚す輩が沢山いるのも事実。
そうした輩はたとえフリーランスとはいえ、既存マスゴミ同様、批判し続ける必要があると考えています。
ネットを第二のマスゴミにしない為にも…。

【関連記事】
◆今だからこそエネルギー属国である現実を直視せよ!/~原発が果たしてきた歴史的役割とは~
◆「なるなる論」法からの脱却を目指そう/~日本人の思考を拘束している宿命論~
◆「原子力の日」に思う。
◆資源問題に関する日本人の「現実的」態度は、世界に比べて現実的だろうか?


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コメント

KYさんへ

KYさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
レスが大変遅くなってしまってゴメンナサイ。

KYさんが仰るように、民主党政権がフラフラしてしまうのは、私も予想できたのですが、事態の深刻化と共に間違った決定が下されてしまうのではないかとヒヤヒヤしてます。

政府や東電の不手際やミスは確かに糾弾されてしかるべきですが、だからといって一気呵成に脱原発を進める状況にないと思うのですが、なにしろ、現況下では反原発派は勢いづいていますからね。

石原都知事のように、それでも原発は必要だと言うような信念を貫いて欲しいのですが、理念無き民主党政権ではダメだろうなぁ…。
ネットでは三流ジャーナリストの上杉隆が喝采を浴びているような有り様ですから、困ったものです。

  • 2011/04/03(日) 23:54:34 |
  • URL |
  • 一知半解 #f2BEFQoE
  • [編集]

>補給低能

 一連の原発事故にびびった菅首相が、己の責任を棚に上げて「新規原発の白紙見直しもありうる」といけしゃあしゃあとぶち上げています。震災前は原発推進を前面に打ち出していたくせに、事故が起こると、自分たちの不手際で被害が拡大したことをも棚に上げて「変節」するのですから始末に終えません。これが政策上の都合ではなく、単なる自己保身のため、という動機は明白でしょう。「原発抜きのエネルギー政策をどうするか」という視点を全く欠いたままの発表なので尚更です。やはり市民運動化上がりの政治屋の限界でしょうね。そしてそのような出来損ないに政権を与えてしまった有権者。
 菅内閣、と言うより民主党はまさに補給低能政党という表現がぴったりでしょう。
 何せ「綱領」すら持ち合わせていないのですから。

  • 2011/03/31(木) 18:09:40 |
  • URL |
  • KY #OLHiJ7es
  • [編集]

KYさん、1読者さん

>KYさん

コメントありがとうございます。
九州まで電力不足に陥りそうとは初耳でした。
信念バカの振る舞いには困ったものですね。

しかし、責任という概念がない人間はほんと厄介ですね。
(言論の自由とか)権利の行使には責任が伴うという基本すらわきまえない連中が多すぎますね。

>しかも「反原発」がサヨクのみならず、保守を名乗る陣営にも影響しているのは以外でした。

保守革新が対立しているような事柄ならば、ブレーキも利きますが、原発事故のように、一致するような件についてはこのブレーキが利かず、世論が暴走してしまいそうで見ていてちょっと恐ろしい。
「補給低能」という欠点があらわになるのはこういう時かもしれません。
結構、日本にとって正念場かも知れません。


>1読者さん

こんばんは。
コメントありがとうございます。
時機を得たエントリーだと褒めていただき、嬉しいです。

しかし、私の拙い解釈より、ずっとわかり易く「現代日本政治の宿痾」をご説明していただきありがとうございました。

>この山本氏の結論を私なりに敷衍すると、現代の政党は、その政治課題の決定に際して、マスコミに依存しない、現場に密着した独自の情報ルートを持つべきであり、そうした情報に基づいて生み出された政策の是否は、議会での論争を通じて糺されるべきであるということになると思います。

まさに仰るとおりだと思います。
が、国会において虚偽答弁を平然と押し通す民主政権の体たらくを見ていると、果たしてそのような正論が通用するのか疑問に思えてきて仕方ありません。
結局、国民がきちんと国会の有り様をマスゴミのフィルターを通さずに見守り、ふざけた答弁を繰り返す議員を選挙で落とすしかないのでしょうか。

また、ぼやきくっくりさんの記事のご紹介ありがとうございました。
あちらのブログは文字起こしを良くされていてTV見逃してもチェックできるので大変ありがたいですね。
菅首相は最近巷で「無能な働き者」と見なされていますね。
陳胡痒先生のブログで、下記格言↓とともに紹介されてました。まさに図星です。

「無能な働き者。これは処刑するしかない。理由は働き者ではあるが、無能であるために間違いに気づかず進んで実行していこうとし、さらなる間違いを引き起こすため。」ヨハネス・フリードリヒ・レオポルト・フォン・ゼークト=ドイツの戦略家・軍人
「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」ゲーテ=詩人
「無能な味方よりも有能な敵のほうが役にたつ」マキャヴェリ=政治思想家
「真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である」ナポレオン=フランス皇帝


>非常時だからという理由で現政権を擁護する向きもあるようですが、私は、むしろ民主党政権を取り除くことが日本復興の第一歩になるような気がしています。

ほんとそう思いますが、今それを言い出すと政局優先とか言い出す馬鹿が多そうで困ります。
どうやったら上手く除去できるのでしょうかねぇ…。

なにはともあれ、非常に参考となるコメントありがとうございました。

  • 2011/03/29(火) 00:06:47 |
  • URL |
  • 一知半解 #f2BEFQoE
  • [編集]

 一知半解さん、今回のエントリーはまさにピンポイントの内容だと思います。

>新聞の誤報がパニック状態を起こし、政府がこれに押し流されて「誤報に基づく緊急対策」を実施し、その結果国民が被害を受けているような場合、新聞はこれを追及しない。
 もちろん誤報に基づこうと、パニックが起ころうと、これを基にして「最終的決定」を下し、その「実施を命じた」政府にその責任があり、この「政府の責任」は決して新聞の「誤報の責任」にすりかえてはならず、両者はそれぞれ責任を負うべきことは言うまでもない。しかしこの場合、新聞が「政府の責任」を追及すれば、それは否応なく自らの「誤報の責任」をも追及する結果になるから、この場合は両者ともに頬かぶりになり、共にこの責任問題に触れまいとする態度を生ずる。
 こうなると、真に追及さるべき「政府の責任」はうやむやに放置され、これを追及しても人は「またか!」と思い、新聞も取り上げないから否応なき「無責任体制」となる。

 まさにこの状態こそ、小泉政権時代に急速に悪化し、民主党政権で決定的になった現在の日本政治の宿痾そのものでしょうね。今までも何度か指摘しましたが、小泉時代の政治的イッシューというのは、その目玉政策である郵政民営化も含め、基本的にはマスコミネタであり、抵抗勢力を作り出しそれに対抗するポーズを示すこともマスコミ好みのものでした。それゆえに果敢に社会問題に対処する総理を演出して長期政権を維持することができましたが、反面、無数の失政を生み出したことも当然の結果です。

 他方、政治課題をマスコミに求めず、自ら設定して果敢にこれに取り組もうとした政権(典型例は安倍・麻生政権)は、その政治の善し悪しとは直接関係ないことで、マスコミに徹底的に叩かれて崩壊するという悪しき先例も作り出してしまいました。

 そしてついに、小泉政権の劣化コピー、戦後最悪の民主党政権も生み出してしまいました。


>この場合、この問題に決着をつけて責任の所在を明らかにすることは、議会を通じての党の役目であると私は思う。

 この山本氏の結論を私なりに敷衍すると、現代の政党は、その政治課題の決定に際して、マスコミに依存しない、現場に密着した独自の情報ルートを持つべきであり、そうした情報に基づいて生み出された政策の是否は、議会での論争を通じて糺されるべきであるということになると思います。

 私が政界再編ではなく、自民党の再生に期待して、政調会や地方からのボトムアップ式の情報収集・意思決定システムの現代化を主張するのは、小選挙区制の問題もありますが、上記の要請に答えることができる政党は、現時点では自民党しか存在しないという厳然たる事実によるものです。

 また、今回の大震災による福島第一原発事故処理の迷走や復興支援の立ち後れは、上のような能力を持たない民主党のような政党を政権につける危険性を如実に表していると言っていいでしょう。


 私は、とくに福島原発事故に関しては、初動段階における政府の情報把握・管理能力の欠如およびそれに基づく決断と責任の所在の欠如が根本的な問題であると考えてきましたが、以下のブログにそれを伺わせる内容のエントリーがあったので、ご紹介します。

「アンカー」福島第一原発の今後 青山繁晴×住田健二
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid977.html

 私が注目したポイントの一部を引用します。

>住田健二
「今の青山さんのお話でね、私は必ずしもそれほど楽観的じゃないんですよ。というのは、必要な材料が2、3日のうちに集まるだろうというのは、期待はしてますけどね、そこまではいいんですけど、その判断をするためには、ただデータだけあればいいってもんじゃなくて、で、僕たち技術屋の立場で言いますとね、全体像の中の1つか2つか3つが見えるんであって、全部が見えてるわけじゃないんですね。で、そうなるとね、いろんなモデルを作りまして、そのモデルの中にこれを入れてみてね、どのモデルとは言いませんが、代表的な物で2つ3つやってみて、大丈夫だとなればね、ま、いいでしょうってことになるんですね。ところが、それをやるためにはね、ただこうやって、こうやればいいってもんじゃないんですね。そうすると当然、かなりの大きな組織が動いて、計算するとかね、場合によっては実験もやらなきゃいかんこともあるかもしれませんけども。で、そういう非常に大部隊のバックアップがあって初めて、そういう決定ができるんですね」
 ・・・
 住田健二
「いや、たとえば国で言いますとね、我々JAEA(ジャイア)という言葉で呼んでますけど、原子力研究開発機構とかね、たくさんあるんですよ。原子力研究開発機構っていうのは2000人近い大きな組織体ですね。それからエネ庁の下にある外郭団体みたいなものをね、数百人のとこがいくつかあるわけですね。で、それぞれ原子力の専門家がいて、今言ったようなことがやれる所なんですけど、それちょっとあんまり動いてるような様子がないんですね」
 山本浩之
「どうして動いてないんですか」
 住田健二
「知りませんね。知らんて言い方は…」
 山本浩之
「動いてないのか動けてないのか、どちらでしょう」
 住田健二
「命令が出なきゃ動けないでしょうね、それだけの大きな組織体は」
 山本浩之
「命令がないと動けないってことは、命令がないということですか」
 住田健二
「そういうことですね」
 青山繁晴
「いいですか?ちょっともう一回そのフリップ立てていただくと、今回こういう災害起きてから、特に僕は電力会社の人とよく電話で話してます。で、彼らの言葉に出てくるのが、今、住田先生のおっしゃったことと深い関係があって、『原子力安全・保安院だからね』って言うんですよ。それどういう意味かというと、原子力安全・保安院は現場のことを知らないからねっていう意味のことを言ってるわけですよ」
 一同
「はあー(驚き)」
 青山繁晴
「で、知らないから十分な指示も出せない、それから官邸に上げる情報も自信が持てないってなってるわけです」
 山本浩之
「そんなところがじゃあ毎日記者会見をやってるんですか」
 青山繁晴
「そうです、はっきり言うと」
 住田健二
「まあね、そうは言いたくないけれどもね、そう思われても仕方がないですね」
(以下略)


 今の民主党政権の対応は、一事が万事この状態だと言っても過言ではないでしょう。

 また、ここでは触れられていませんが、空き菅政権は、政治主導を実践するためか手柄を独占して支持率アップを狙ったのかどうかは分かりませんが、震災直後に多くの権限を官邸に集中させ、現場が独自に動くことを制限したそうですが、こうしたやり方は、政権中枢に十分な情報が集約され的確な判断と指示が出される場合には効果的でしょうが、そうでないとただの足枷でしかなくなってしまいます。
 震災の被害の大きさに委縮したのかもしれませんが、引き蘢りを続ける現在の空き菅総理は、まさに邪魔者以外の何ものでもないでしょう。

 被災地への物流の確保と支援物資のマッチングや復興支援の政策の策定、首都圏の恒常的な電力不足対策として、計画停電や中長期的な電力源の確保等々、どれ一つとっても既存の官僚組織をフル動員し、被災地だけでなく、それ以外の地方自治体や経済・産業会とも連携しつつ、膨大な情報に基づき様々なシミュレーションを行ない、優先順位を決めて決断することが求められていますが、今の民主党政権にそれができるでしょうか。

 非常時だからという理由で現政権を擁護する向きもあるようですが、私は、むしろ民主党政権を取り除くことが日本復興の第一歩になるような気がしています。


 なお、今回はあえて政府(政治)の責任をメインにしてコメントしましたが、これをもって、マスコミの責任を軽視しているわけではないことを最後に付記しておきます。

  • 2011/03/27(日) 18:04:27 |
  • URL |
  • 1読者 #-
  • [編集]

最悪のコラボ体制

 今回の震災とそれに伴う原発事故にまつわる政府・マスゴミ、そして反原発カルト信者による三重奏は風評被害のみならず、九州にまで電力不足の可能性を齎す最悪の結果を招きました。カルト信者たちの意固地さと能天気さは既に触れましたが、彼らは自分たちの運動が九州の電力不足の可能性を招いた、と言う自覚は多分ないでしょう。所詮彼らには「責任」という概念が無いのですから。恐らく彼らは「原発をを停止させたのは電力会社だから我々に責任は無い」としらばっくれるだろうし、同時に「電力会社は電力不足の責任を取れ!」と臆面も無く言い出すでしょう。そしてマスゴミも彼らの責任を追及すると、彼らを持ち上げてきた自分たちの責任を追及されるのは目に見えているからそこは曖昧になり、最終的に電力不足の責任は電力会社のみに押し付けられえる、という出来レースが既に想定済みのような気がします。
 山本氏の言う「補給概念の欠如」という旧軍の悪しき習癖が反体制、反原発の運動体にしっかりと受け継がれているのは何とも皮肉な話です。しかも「反原発」がサヨクのみならず、保守を名乗る陣営にも影響しているのは以外でした。結局左右問わずに「補給概念の欠如」が現在に至るまで日本の思想に悪影響を及ぼしていることを痛感した次第です。

  • 2011/03/27(日) 00:31:39 |
  • URL |
  • KY #Q3NUfB42
  • [編集]

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一知半解なるがゆえに、自らの言葉で恥を晒すのを控え、主に山本七平の言葉を借用しつつ書き綴ってゆきたいと思ふのでアリマス。宜しくメカドック!!
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