一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

食糧安保に鈍感すぎないか?

今日ネット漁っていて、気になった記事はこれ↓

中国産は意外に危なくない 毒ギョーザ騒動と危険妄想のウソ

(2008/02/15)

中国産ギョーザが引き起こした食中毒事件。世の中は中国たたき一色だが、中国産以外にも危険な食品はある。中国食品を悪者に決めつけるのは、消費者にとって得策なのか。
(週刊東洋経済2月16日号より)

 どうやら“事件”の様相が強まってきた。

 JTの子会社が販売していた中国製商品によって各地で食中毒が引き起こされた毒入りギョーザ問題。当初から「何者かが悪意を持って行った可能性がある」(厚生労働省)と、事件性が指摘されてきた。食品などに潜む化学物質の毒性検査を独自に行ってきたNPO法人「食品と暮らしの安全基金」の小若順一代表も「残留農薬が原因で、これだけ大量の被害者が出ることはない。何者かが故意に行った可能性が高く、極めて特殊なケース」と話す。

天洋食品は「優秀」 中国産より危ない食品

 しかし、世の中は今回の事件を「特殊なケース」とはとらえていないようだ。事件後の報道を見ても、中国食品の危険性をあおる見出しであふれている。一部の外食企業は「中国で最終加工している食品のうち加工度の高い一部の使用を見送る」(すかいらーく)対策を取ったが、「暫定措置」であるにもかかわらず、「『中国製加工食品の使用をすべて中止』など、行き過ぎた報道のされ方をした」(同)と困惑する。

 もちろんホウレンソウやウナギなど中国食品の安全性が、たびたび問題になってきたのは事実。冷凍ホウレンソウの農薬残留をいち早く指摘した農民運動全国連合会・食品分析センターの石黒昌孝所長によれば「中国は水事情が悪く、限られた土地で連作するから農薬使用量も多い」。中国食品に不信の目が投げかけられても仕方のない面はある。

 とはいえ、中国からの輸入食品が他国に比べ際立って危ないことを示す日本国内での“証拠”はない。検疫で見つかった輸入食品の食品衛生法違反を見ると、中国の違反件数は530件と絶対量こそ最大だが、これは輸入量が多いことと検査件数自体が多いため。違反が見つかる確率=違反率を見ると、エクアドルやベトナムなどのほうが高い。中国側が大消費地である日本を重要視していることもこうした背景にはある。

 問題のギョーザを受託生産していた河北省食品輸出入集団天洋食品工場(天洋食品)にしても、「HACCP」や「ISO」といった品質管理の国際認証を取得しており、怪しいメーカーではない。同社から加工原料の一部を調達していた味の素によれば、「調達先を決める際に、品質管理や農薬・異物対策をはじめ詳細なチェックを実施しており、一定水準を満たさなければ取引できない社内規則がある。その評価基準に照らしても、天洋食品は上位に位置する優秀な工場だった」という。

騒動の渦中にある日本生活協同組合連合会についても、「かつては国産以外ダメというスタンスだったが、中国の製造現場に対する理解が深まるにつれ、中国産の採用に動くようになった」と取引のある冷食メーカー関係者は証言する。

 そもそも、感染症の上陸を防ぐために、畜肉類を使用した製品は、日本の農林水産省が指定した工場以外からは日本に輸入できないことになっている。天洋食品が多数の日本企業と取引し、中国当局から検疫フリーの特権を認められていたのも、こうした根拠があってのことだ。

 国会などでは、水際での検疫やメーカーの検査体制が“ザル”だったとの批判も出ている。ただし、検疫のモニタリング検査が輸入全体の1割強というのは「確率論によって科学的に設定した数値」(厚労省)。検査した食品は廃棄する以外なく、「検査比率をむやみに高めれば、消費者が払う末端価格に跳ね返る。検査率を5割(二つに一つ)に高めれば、単純計算で商品価格は2倍になる」(食品業界関係者)。

 今回のギョーザ問題は、「誰かがパンに針を仕込んだとか、自販機の飲料に農薬を入れたとか、日本でかつて起きたのと似たような事件の可能性が濃厚」(食品業界関係者)。それに、日本でも雪印による食中毒事件やミートホープによる食肉偽装など、食の安全・安心を脅かす事件はいくらでも起きている。今回の事件をもってして「中国産だから危険」との結論は導き出せないはずだ。

 にもかかわらず、中国産に対する世間の拒否反応は強まる一方なのが現実だ。今回の事件が起きる以前でも、実際に中国からの生鮮野菜輸入は昨年減少に転じた。米国でも似たような動きは確かにある。昨年、中国産原料を使ったペットフードを食べた犬やネコが相次ぎ死亡したことで、中国産原料を使用していないことを宣伝材料に使う「チャイナフリー」が流行になった。

 しかし、日本の食料自給率は4割。「チャイナフリーを言い出したら、何も食べられない。食品の値段だって急騰する」(前出の小若氏)との声も聞かれる。食品メーカーが冷食の海外生産を強化したのは1990年前後、「バブル期以降、工場の人手が確保できなくなったことも大きな要因」(大手冷食メーカー幹部)とされる。「食料自給率を上げる以外に抜本策はない」との意見もあるが、仮に国産食材を増産するとして、それを誰が、どこで加工するというのか。そして、確実に上がるコストは誰が負担するのか。少なくとも今回のギョーザ事件は、中国バッシングだけで済む話ではない
(週刊東洋経済:長谷川高宏)


何かまあ、中国擁護必死で怪しげな記事ではあるけれど、食糧自給率4割切っているというのは本当にヤバイ!!確かに中国をバッシングして済む話ではない。この点について我々日本人は余りにも軽視しているとしか思えない。

我が師匠の山本七平先生も食糧の重要性は著書のあちこちで述べているのだが、「ある異常体験者の偏見」の中から、一部省略しつつ紹介したい。

史上の多くの「敗戦」や「無条件降伏」を探っていくと、その原因が実は「飢え」すなわち食糧であったという冷厳なる事実にわれわれは気づくのである。(~中略~)
世界はすでにこの冷厳な事実をはっきり計算に入れていると私は思っている。軍備とは何か、それは食糧だという事実を。すなわち兵を動かさずとも、食糧を動かすだけ、あるいはとめるだけで、そして必要とあらば燃料をも止めれば、それだけで一国を「無条件降伏」させうることは、すでに現実の計画として立案されていると私は考えている。(~中略~)
われわれは、「食糧・燃料を含めた軍備」という点で、手段方法なき状態におかれているのである。武器を並べ立てても、それは気休めに過ぎない。そしてこの客観的状態は、もちろん憲法を改正したからって変化するわけではない。


かつての日本軍はこの点を非常に軽視した。振り返ってみて現在の我々はかつての軍部と同じ認識ではないのだろうか?これで戦前を反省したと言えるのだろうか?


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一知半解なるがゆえに、自らの言葉で恥を晒すのを控え、主に山本七平の言葉を借用しつつ書き綴ってゆきたいと思ふのでアリマス。宜しくメカドック!!
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