一知半解なれども一筆言上

山本七平マンセーブログ。不定期更新。

日本人に足りないのは、「公の心」と「判断力」

私が日頃から愛読しているブログの一つに、「カムイスペースワークスブログ」というブログがあります。

このブログを書いているのは、北海道で民間企業による宇宙ロケット「CAMUIハイブリッドロケット」の開発に携わっている二人の先生方です。

北海道大学の永田晴紀教授と、植松電気専務取締役の植松努氏というお二人が、ブログを書いているのですが、彼ら二人は、単に科学やロケットに関することを書いているのではありません。

むしろ、そういうことではなく、日本の社会や教育のことについて実に鋭い意見を述べておられます。
日頃思っていてもなかなか書くことのできない事をズバリ書いてくれるので、感心するとともに、自分の表現能力の無さというものを改めて痛感してしまいます。


今日は、そんな植松先生の書かれた記事の中から二つほど紹介したいと思います。
一つ目は、今現在も問題になっている年金問題について。

ガイアの夜明け 不屈の100人 (植松) 2007/06/13 18:16

いま、年金問題が炎上していますね。
年金がどうなったかよくわからない人の数は、受給資格者のほぼ全てです。
金を取るだけとっておいて、なんぼ預かったかわからないから、なんぼ収めたか証拠を出してくれ!と言われている状態ですね。
ちなみに僕は、前の会社時代は、給与明細を見たことが無く、もらった尻からゴミ箱に捨てていましたので、なんぼ払ったのかの証拠はありません。

でもね、きっと、あきらめないといけないと思います。
いま、おわびのビラを刷っていると言われていますが、そのビラを刷るお金は、どこから出るのでしょうか?
電話対応をするために増員しています。その人件費はどこから出るのでしょうか?
ぜーんぶ、僕らの税金から支出され、不足した分は、僕らが払うだけです。
だから、6640万件すべての調査ができたころには、調査費で、全てのお金がなくなっていると思います。
ということは、年金をなんぼもらえるかわかったところで、そのもらえるぶんを、また、別な形で徴収されるってことでしかありません。
まあ、おそらく、次世代、そのまた次世代に、押しつけられるんでしょうけどね。

たとえば、町にゴミが落ちていました。
なんだよ、きたねえなあ、と、市役所に電話します。
どうなってるんだ!ゴミが落ちているぞ!さっさと掃除しろ!そのために税金払ってるだろ!なんていうと、ちゃんと清掃車が来て掃除してくれます。
でも、そのコストは、電話した市民を含め、みんなが負担します。
自分で拾えば無料の作業が、市役所に電話して文句言ったことで、数十万円の出費になって帰ってきます。もちろん、そのお金は、僕らの税金です。

だから、簡単なことですね。
税金になるべく依存しない社会を作れば、税金は安くなります。
市役所になるべく依存しない社会を作れば、市役所の職員は少なくてすむので、
その人件費が安くなります。
自分たちでやれば、税金はどんどん安くなります。
でも、その努力を無にするのが、税金をねらう人たちです。

なんでそんな人たちが居るのかというと、前にもかきましたが、
拝金主義だからです。
自分に自信と魅力がないから、お金でちやほやしてもらうしかないのです。
そして、ちやほやするやつも悪いのです。

どう考えても、年金はもう帰ってきません。
次から次へと問題が表面化していますが、なんか、確信犯のような気がします。
おそらく、2010年あたりから、団塊の世代がどかんと年金受給しはじめるのですが、
その財源がもうないのでしょう。ないことが表面化する前に、もっと本質的なところでひっくり返しちまえ!という感じがします。
そう、まるで、負けそうになったから将棋盤をひっくり返すような感じです。

年金に関して、問い合わせをするだけで、きっと、お金がなくなります。
もう、年金に関しては、関係者は、呼吸もしないで欲しいです。
するなら、自分たちの給与の中で、自腹でやって欲しいです。
おわびのビラを刷るのも、職員みんなでお金を出し合ってすってください。

でも、こんなめちゃくちゃな事になってしまったのは、
ひとえに、ものすごくミクロな視点での「損得勘定」によるものです。
キャッシュというミクロな価値観で、損得勘定するからこうなったのです。
社会によゆうを与えるのではなく、いかにして、他人にはぎ取られる前に、
自分がはぎ取るか、という人ばかりだったからです。

不安をあおり、ありもしない価値観を押しつけ、お金をだまし取るような社会を変えましょう。
変えないと、未来はありません。
大丈夫。変わりますよ。
変わらないからって、あきらめちゃあいけません。
理想とは、届かないからといって、あきらめるためにあるのではないのですから。


続いて、生活保護不正受給について。

6月18日 ユーラシア大陸の上で(植松)

(前略~)
滝川市では、生活保護を数億円も不正にだまし取った暴力団員が有罪判決を受けました。

裁判では、犯人側は「生活保護費を請われるがままに支給した滝川市が悪い」と責めたそうですが、裁判長は「お前にそれを言う資格はない」と退けました。

それを受けて、滝川市は、市には落ち度はないことが認められた、と言っています。

これは間違いです。

滝川市から、生活保護費をだまし取った人は、滝川市をだましました。

でも、あきらかにおかしなことにお金を払った滝川市は、日本人に損害を与えています。
だから、滝川市のことは、納税者が訴えなければいけないのだと思います。
税金を使う人たちは、税金の使い方に責任を負わなければいけません。

そうでなければ、今後も、「指示されたとおりにやりました」「対策が指示されていないから放っておきました」「わからないから何もしませんでした」で出た損失を、僕らはただただ補填し続けることになります。

巧妙に公に反することを工夫し続ける人と、判断しない人の戦いで、損失を被るのは日本人です。

いま、日本に必要なのは、「公の心」と「判断力」であるということが、この問題からも明らかなような気がします。

でもね、この二つって、受験に出ないから、知らなくてもいいんだよなあ・・・・。
こまったねえ・・・。


政治系のブログでは、日々いろんな問題が侃々諤々論じられています。

でも、そこには何かが足りません。
それは、植松先生の視点ではないかと思うのです。

我々は、余りにも他者に依存しすぎていないでしょうか?
自分さえ良ければいいと思っていないでしょうか?
マクロな視点を忘れているのではないでしょうか?

自分の行動がまわりまわって、社会にどのような影響を与えてしまうのか?という視点が余りにも欠けているように思えます。

植松先生のいう「公の心」を持たない人間が多くなってしまっています。

こうした人間を減らさずに、日本社会が良くなることは無いと思います。
たとえ、どんなに良い政策が考えられたとしても、その運用を行う人間がダメなのですから。

国が悪い、役人が悪い、大企業が悪い、アメリカが悪い、etc…。

原因を探し出し、対処することは重要です。
しかしながら、それのみに拘泥しているきらいがありませんか?
マスコミの煽りに、迎合していませんか?
単に、責任を追及したり、なすり合ったりに拘泥して、肝心の対策がおろそかになっていませんか?

それは、すなわち植松先生のいう「判断力」が欠けている証ではないでしょうか?

「公の心」を育てるには、どうしたらいいのでしょう。
「判断力」を養うには、どうしたらいいのでしょう。

目先の問題ではなく、このことについて真剣に考えるべきではないでしょうか?

解決策は、やはり「教育」に求めざるを得ないのでしょうけど。
どうしたらいいのかはいずれまた書くつもりです(現在、考え中です)。

【余談】
ここからは、この問題に関して、右派・左派どのように考えているのか、私自身の受け止め方をちょっと書いてみます。

(右派)
・危機意識は持っている。
・ただ、愛国心や戦前のやり方に、解決策を求めるきらいがある。

(左派)
・危機意識が見られない。
・解決策の提示も見られない。

これは私自身の受け止め方なので全くの偏見なのですが…。

私が左派に厳しい、というか嫌いなのは、やっぱり「公の心」というのが、彼らの意識に無いという点が非常に大きいです。
権利ばかり要求して、それで世の中が良くなると思っている点が大嫌いです。

余談でした。


【カムイロケットの参考HPはこちら↓】

CAMUIロケット/出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

植松努公式サイト

北海道、宇宙へ挑戦中 - CAMUIロケットの燃焼実験を見てきました


FC2ブログランキングにコソーリと参加中!

「ポチっとな」プリーズ!
関連記事
スポンサーサイト

テーマ:これでいいのか日本 - ジャンル:政治・経済

このページのトップへ

コメント

メロンぱんちさんへ

メロンぱんちさん、コメントありがとうございます。
この問題は、植松先生が言うように教育で教えるべきなんですがねぇ。

この先生は日本全国飛び回って講演活動にいそしんでいらっしゃるので、活躍に期待しているんです。

こういう先生がたくさんいると日本も大丈夫なんでしょうけど。

  • 2009/02/11(水) 21:58:34 |
  • URL |
  • 一知半解 #f2BEFQoE
  • [編集]

昨年でしたか一昨年でしたか年金特別便で紛糾している折、社会保険庁が新聞に堂々と求人広告を出していたのを見つけました。そのまんま年金特別便の問合せを受けるテレホンガイドの求人でした。年金得別便を急いで発送させても社保庁職員が責任を感じ、罪滅ぼしとばかりに徹夜に次ぐ徹夜で必死に対応してくれているのではなく、税金を投入してパートタイマーを雇っているだけなんだと思った事があります。急がせれば急がせるほど、ミスを連発し、実際に書面にも不備が多かったですよね。これを速やかに片付けると語った当時の安倍総理は、「××までに完了する」と言明し、それが守られない為に、再度、政府批判が起こりましたが、「××までに完了する」という時限を切ったの裏には、官僚の助言があり、強気に発言したものだったんですよね。ブレたと云えばブレている訳ですが、当時の批判というのは、やはり政局に利用されていたように見えるんですよね。社保庁を責めるべきなのに、いつの間にか政権批判になってしまい、社保庁は、あんまり傷んでもいないんだろうなぁ…と。

おっしゃるように批判ばかりで、物事を導いていくのって困難ですよね。批判ではなく、具体的で建設的なアイデアが必要なのですし、或る程度は社会や国、地域に協力をしようとする「公の心」が肝要だし、それを適宜に使い分ける「判断力」が重要になってきそうですね。

  • 2009/02/11(水) 06:49:20 |
  • URL |
  • メロンぱんち #NkOZRVVI
  • [編集]

>Sirokazeさん

レスが遅くて済みませんでした。ここ数日熱出して寝込んでたものですから。
リンクありがとうございます。私も早速リンクさせていただきました。

>Robitaさん

拙記事を取り上げていただきありがとうございます。
しかし、どうしてだか、RobitaさんのブログへTBが出来ないですね。昔は出来たのに…。

  • 2008/07/08(火) 14:16:05 |
  • URL |
  • 一知半解男 #f2BEFQoE
  • [編集]

こちらの記事を私のブログで紹介させていただきました。

  • 2008/07/07(月) 14:23:24 |
  • URL |
  • robita #-
  • [編集]

リンクしました

>>一知半解男さん、こんばんは

リンクをさせてもらいました(^ー^)

>>権利ばかり要求して、それで世の中が良くなると思っている点が大嫌いです。

それプラス、彼らの行動そのものが税金の無駄遣いに繋がることをわかっていないくせに、税金の無駄遣いを非難しているところですな。

  • 2008/07/06(日) 01:20:01 |
  • URL |
  • sirokaze #-
  • [編集]

>仮)山田さん

そういっていただけると、紹介した甲斐があります。いいブログでしょv-290

こういう先生がいるかぎり、日本もまだまだ捨てたもんじゃないと思います。

  • 2008/07/05(土) 23:12:45 |
  • URL |
  • 一知半解男 #f2BEFQoE
  • [編集]

感謝です。

面白いブログ教えて頂きありがとうございます。
やっぱり政治ブログにも、理系の感覚が重要ですわ。何かといえば、科学的だの人権だのと言って誤魔化す連中とは、雲泥の差があります。

  • 2008/07/05(土) 21:05:08 |
  • URL |
  • 仮)山田二郎 #-
  • [編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://yamamoto8hei.blog37.fc2.com/tb.php/92-7be3d278
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

沖縄・・・執念のサミット開催

これは、あくまでもフィクションです。 1998年7月30日。この物語の主役となる一人の男が、内閣総理大臣に就任した。 小渕恵三。 「平成...

  • 2008/07/07(月) 00:42:47 |
  • うない発言絶賛発売中

ひとりひとりの意識改革

昨夜、途中からですが、NHK教育テレビ「医療再生・地域力を結集せよ」というのを見

  • 2008/07/07(月) 14:25:26 |
  • 幸か不幸か専業主婦

責任の所在~左傾化はホントだと思う

知らぬ間に怖ろしいレベルで日本は責任追及の厳しい国になったと思う。「責任」という概念が徹底された事で、「責任を追及しよう」という気風に変化した事と無縁ではないでしょう。 その責任追及は何処へ向かうのか。一つは内側へと向かい、自分を攻撃してしまう。自己...

  • 2009/02/11(水) 07:06:10 |
  • どーか誰にも見つかりませんようにブログ
このページのトップへ

FC2Ad

プロフィール

一知半解

Author:一知半解
「一知半解知らずに劣れり」な自分ではありますが、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」…と、かの兼好法師も仰っておりますので、ワタクシもブログでコソーリとモノ申します。
一知半解なるがゆえに、自らの言葉で恥を晒すのを控え、主に山本七平の言葉を借用しつつ書き綴ってゆきたいと思ふのでアリマス。宜しくメカドック!!
日々のツイートを集めた別館「一知半解なれども一筆言上」~半可通のひとり言~↓もよろしゅう。

http://yamamoto7hei.blog.fc2.com/

★★コメント欄運営方針★★
・基本的にどんなコメント(管理人批判も含め)でも一度は公開します。
・事前承認制ではありませんので、投稿するとすぐ表示されてしまいます。投稿前に、内容の再確認をお願いします。
・エロコメント及び勧誘サイトへ誘導するようなコメントは気付き次第、削除します。
・管理人宛てのコメントには、出来る限り対応していきたいと思います。ただ、あまりにも多連投コメント及び悪質・粘質なコメントは放置する場合があります。
・管理人はコメント欄の運営については自由放任という立場です。当面は、たとえ議論が荒れてしまっても不介入の方針でいきます。議論はとことんやっていただいてかまいませんが、できるだけ節度やマナーを保って議論していただきたいと”切に”希望します。
・本人よりコメント削除要求があり、管理人から見て、明らかに事実無根の中傷・名誉毀損と判断した場合は警告の上、当該コメントを削除することがあります。

FC2ブログランキングにコソーリ参加中
「ポチっとな!」please!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

FC2カウンター

QRコード

QR

一知半解宛メール箱

私、一知半解まで個人的にメールを送りたい方はこちらのメールフォームをご利用ください。

名前:
メール:
件名:
本文:

バロメーター

Twitter on FC2

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する